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第1章 アスファルトについて
- Q7アスファルトには、人体や環境への影響はありませんか? -

A:
 人類の未来を左右する「環境問題」に対しては、様々な角度から地球規模での取り組みが進んでいます。温暖化、酸性雨、オゾンホール、環境ホルモン、シックハウス等、ほとんどの問題に化学物質が直接・間接に関係しています。
 この意味において「安全」を証明できる化学物質は希少となってしまいました。さらに「有害性」・「影響が疑われる」の表現のみで、過敏な反応が増長されている傾向にもあります。
 但し、化学物質はその性質と量(濃度)の両面から評価されるべきものです。「どの化学物質がどのような状態で有害となりうるのか?」科学的な正しい判断のもとに安心して使用されることが望まれます。

 国内では平成13年3月30日に「特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の改善の促進に関する法律(以降、PRTR法と称す)」が施行されました。この法律は、化学物質による環境負荷の低減を目指すと同時に化学物質の安全管理を促進させようとするもので、第1種指定化学物質354物質(うち、特に発がん性の高い12物質は[特定第1種指定化学物質]とする)と第2種指定化学物質81物質が対象物質として挙げられています。 (経済産業省・環境省)
 アスファルトは、第1種・第2種共にこの指定物質には挙げられていません。
つまりアスファルトはPRTR法の非該当物質です。

 海外では、発がん性に関してInternational Agency for Research on Cancer(IARC:国際がん研究機関)でBitumens(アスファルト)についてグループ3、「人に対する発がん性については分類できない」としています。

注)グループ1. 人の発がんに十分な根拠があるとされた物質
例;石綿入タルク、煙草(の煙)、コールタール等
グループ2. 人に対して発がん性の可能性の高いもの
例;DDT、サッカリン、クレオソート 等
出典: IARC MONOGRAPHS ON THE
EVALUATION OF THE
CARCINOGENIC RISC OF
CHEMICALS TO HUMANS Vol.35

 又、EUでは、EC理事会指令67/548/EEC 付属書でアスファルトは「危険な物質」に該当しないとし
ています。
 外観・性状が似ているため、しばしば混同されてきたコールタールがグループ1に分類されているのは、発がん物質のベンゾ(a)ピレンの含有量がアスファルトに比べて極めて多いことによります。アスファルトが0−27ppmであるのに対し、コールタールは8400−12500ppmであり、約300倍以上の開きがあります。
 アスファルトに含まれるベンゾ(a)ピレンの量を、身近な食品と比較すると、その低さが実感できます。 以下に報告例を示します。

アスファルト 0.1−27ppm キャベツ 12−25ppm
焼ソーセージ 85ppm未満 焼 豚 140ppm未満
出典: ASPHALT Vol..40
No.195(1998)

その他、環境ホルモンに関しては、科学的に未解明な点が多く残されているものの、それが生物生存の基本的条件に関わることから、環境省や厚生労働省において様々なプロジェクトによる調査が行われています。しかしながら現在でも環境ホルモン物質として特定されたものはなく、その定義も定かではありません。アスファルトそのものが環境ホルモンと関連づけられ、問題視されたことはありません。
 シックハウス問題が近年注目を浴び、厚生省により13物質のVOC(揮発性有機化合物)の指針値が策定されています。アスファルトそのものと、この13物質との関連性もありません。
 アスファルトの水に対する溶解性は、アスファルト自体が防水材として使用されていることからも分かる通り、全くといってよいほどありません。
 水への溶出試験の実施結果例では、EEC規制基準値よりはるかに低い値が報告されています。
出典:Serena Risica ら、Council Directive 98/83/EC(1998)

 以上、具体的な質問の多い項目について、アスファルトの人体と環境への影響を述べました。総じてアスファルトそのものは天然物に近く、反応性に乏しい、安定した物質ですので人体・環境への影響は少ないと考えられています。


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