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第1章 アスファルトについて
- Q6アスファルトの成分はなんですか?タールとは異なるものですか? -

A:
 石油アスファルトは、原油の蒸留により、LPG、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油、重油等を分留して最後に得られる残油にあたります。従って、基本的にはそれら分留物と類似した構造の化合物で構成されており、「炭化水素」が主成分です。
 主な成分は、パラフィン、ナフテン、芳香族炭化水素からなり、数パーセント程度の酸素、窒素、硫黄を含む有機化合物と、さらに1パーセント以下の鉄、ニッケル、バナジウム等の有機金属化合物とで構成されています。
 アスファルト自体は、それら数千種類以上の化合物の集合体ですが、それらを個々に取り出して分析同定することは困難ですし、あまり意味のある事ではありません。そこで、一般的には化学構造的に類似したもの同志をいくつかのパターンに分類し、それぞれの成分を分析する方法がとられています。通常、カラム吸着クロマトグラフィーにより、「飽和分」「芳香族分」「レジン分」「アスファルテン分」の4成分に分別されます。
それら4成分の性質を下表に示します。

[アスファルトの4大成分]
組成分 外観・性状 構成物質 分子量
飽和分 無色、淡黄色の透明な液状物質比重が1より小 パラフィン
及びナフテン
300〜2,000
芳香族分 赤褐色粘ちゅう液体
比重が1より小
芳香族の小さな集合 300〜2,000
レジン分 暗褐色の粘い個体又は半固体加熱すると溶融、比重が1より大 縮合した芳香族環構造 500〜50,000
アスフアルテン分 暗褐色、黒褐色の固体粉末、加熱しても溶けないで分解する、比重がより大
縮合した芳香族環構造の層状構造 1,000〜100,000
出典:「アスファルト」Vol.32,No.163,p71(1990)

 これらの4大成分が、バランスを保ったコロイドとして分散している状態となっています。経年により徐々にアスファルトの劣化が進行すると、低分子量から高分子量に組成分の割合が変化していきます。つまりアスファルテン分が多くなり、物性としては硬く、脆くなっていきます。
 この現象変化を利用してアスファルトの劣化程度を針入度で調査することができます。

[減圧残油中に含まれる構成元素と組成分析]
  原油
項目  
アラビアンライト クウェート カフジ イラニアンヘビー
分子量 797 910 975 849
元素分析
C,wt%
85.1 84.0 84.1 84.8
H,Wt% 10.3 10.1 9.8 10.2
N,Wt% 0.22 0.31 0.36 0.49
S,wt% 3.9 5.1 5.4 3.5
V,ppm 62 95 153 234
Ni,ppm 16 27 49 74
組成分析
wt%
飽和分
21.0 15.7 13.3 19.6
芳香族分 54.7 55.6 50.8 50.5
レジン 13.2 14.8 13.3 16.6
アスファルテン 11.1 13.9 22.6 13.3
出典:日本アスファルト協会発行「アスファルトの利用技術」

- アスファルトはタールとは異なるものですか? -
A:全く異なるものです。
 コールタールは外観が黒色の粘ちゅう物質であり、加熱により溶融する性質(熱可塑性)を有し、さらにかつては工業材料としての用途が、舗装、防水、防食 等 アスファルトと類似しており、しばしば混同されていました。
 しかし、アスファルトとコールタール(あるいはタールピッチ)はそれぞれ原料も製造方法も全く異なっています。そして物理的性状は類似しているものの、化学組成や加熱した際に発生するガス・蒸気の成分は全く異なるものです。
出典:The Asphalt lnstitute, Research Report 78−1(RR-78-1)January1978

 アスファルトの原料は原油で、主成分はパラフィン、ナフテン、芳香族炭化水素です。
一方、コールタールはコークスを製造する際に副生するもので、石炭を乾溜して発生するガスや蒸気の凝縮物です。
 両者の成分の大きな違いは、コールタールはアスファルトに比べて芳香族性が高く、炭素/水素元素比は、アスファルトの約2倍となっています。コールタールの全炭素のうち80%が芳香族環に由来し、一方アスファルトのそれは40%です。また、アスファルトの分子量はコールタールの分子量より大きく、2倍以上です。
 このように、両者は原料、製造法、組成成分 共に異なります。
 

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